〔NY石油〕WTI続伸、67.68ドル(12日) 2025年03月13日 05時12分

 【ニューヨーク時事】12日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給引き締まり観測を背景に、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比1.43ドル(2.16%)高の1バレル=67.68ドルだった。5月物は1.45ドル高の67.38ドル。
 米エネルギー情報局(EIA)がこの日午前発表した7日までの1週間の石油在庫統計によると、原油在庫は前週比140万バレル増となり、増加幅は市場予想(200万バレル増=ロイター通信調べ)を下回った。ガソリン在庫は570万バレル減、ディスティレート(留出油)は160万バレル減と、いずれも予想の190万バレル減、80万バレル減を上回る取り崩しとなった。これを受け、需給が引き締まるとの見方が台頭し、原油は買いが優勢となった。
 石油輸出国機構(OPEC)が12日に公表した月報で、2025年と26年の世界の石油需要見通しをそれぞれ前年比で日量145万バレル増、同143万バレル増と、前月時点の予想から据え置いたことも相場を下支えた。OPECは航空機や自動車での移動が燃料消費につながると想定したほか、米政権による関税措置は経済成長に影響しないとも述べた。
 一方、市場は米高関税政策に対する各国の対応を注視。米メディアの報道によると、カナダ政府は12日、米国による鉄鋼・アルミニウム追加関税に対する報復措置を導入すると表明。298億カナダドル(約3兆1000億円)相当の米国産品が対象になるという。
 ▽ガソリン=続伸。中心限月4月物の清算値は4.51セント高の1ガロン=215.01セント。 ▽ヒーティングオイル=続伸。4月物の清算値は0.95セント高の1ガロン=220.63セント。

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