木材製品にも関税検討=安保懸念、カナダとの火種に―トランプ米政権 2025年03月02日 15時09分

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は1日、木材の輸入増加について、安全保障上の影響を調査するよう関係省庁に命じる大統領令に署名した。家具などの木材製品も対象とし、追加関税も含めた対抗策を検討する。同時に木材の生産支援や森林管理の強化策の検討も命令。国内生産の拡大を目指す。
 米政府はカナダから輸入される一部木材に、反ダンピング(不当廉売)関税や補助金の相殺関税を計約14.5%課している。新たな関税が導入されれば、カナダ産に上乗せされることになり、両国間の新たな火種となりそうだ。
 調査は、安保上の脅威に対抗する通商拡大法232条に基づく措置。トランプ政権は同法に基づき、輸入される鉄鋼、アルミニウムに25%の追加関税を12日から課すほか、銅の輸入増にも同様の調査をしている。
 大統領令では、木材は「民間建設業と軍事の両方の用途で使われる重要資材」として、木材製品の国内製造基盤を強化する必要があると強調した。
 米政府によると、米国の木材輸入はカナダやブラジル、ドイツなどからが多い。政府高官は記者団に「大規模な補助金による過剰生産や不当廉売の問題が世界的に起きている」と指摘した。
 トランプ氏は、合成麻薬の米国流入が続いていることへの対抗策として、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を4日から課す予定だ。 

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