〔NY外為〕円急落、一時158円台=34年ぶり安値(26日夕) 2024年04月27日 05時46分

 【ニューヨーク時事】週末26日夕方のニューヨーク外国為替市場では、日米金利差の拡大長期化観測を背景に円売り・ドル買いが加速し、円相場は一時、1990年5月以来34年ぶりに1ドル=158円台に急落した。
 日銀はこの日開催した金融政策決定会合で、政策金利を据え置くとともに、国債買い入れペースも従来方針を維持。会合後に記者会見を行った植田和男総裁が最近の急激な円安を強くけん制しなかったことも売りに拍車を掛け、円相場は東京市場で156円台に下落した。
 ニューヨーク市場入り後、米商務省が発表した3月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同期比2.7%上昇と、市場予想を上回る強めの内容。続いて、ミシガン大学調査でも消費者のインフレ期待の高まりが示された。これを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始が後ずれするとの見方が一層強まり、相場は157円台に突入。終盤には158円台に一気に水準を切り下げた。
 米国がインフレ退治に苦慮する中、欧州や英国、カナダなどの主要国では利下げ転換へ向けた条件が整いつつあり、金利差の観点からドルの独歩高が進む。一方の円は、日銀が追加利上げに慎重との見方も多く、円買い介入警戒感は高まっているものの、下落に歯止めがかからない状況となっている。

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