〔東京外為〕ドル、142円台後半=手掛かり材料乏しくもみ合い(5日正午) 2025年06月05日 12時08分
5日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、新規の手掛かり材料が乏しい中、1ドル=142円台後半でもみ合った。正午現在、142円89~89銭と前日(午後5時、144円09~09銭)比1円20銭の大幅ドル安・円高。
前日の海外市場では、米国時間に発表された5月のADP全米雇用報告と5月のISM米サービス業PMIがいずれも市場予想を下回り、米長期金利が急低下したのを受け、ドル円は144円30銭台から一時142円60銭前後まで急落した。
東京時間の早朝も軟調地合いを引き継ぎ、一時142円50銭台まで下落。4月の毎月勤労統計が発表され、実質賃金が4カ月連続のマイナスになったと伝わると、「日銀による早期の追加利上げ観測が後退した」(外為仲介業者)といい、やや買い戻された。
本日は五・十日に当たり、実需筋の売買動向が注目されたが、「月初旬ということもあり、取引は多くはなかった」(邦銀)といい、仲値公示に向けては方向感の乏しい値動きになった。その後は日経平均株価が下げ幅を縮小するのを眺め、142円90銭台に水準を切り上げたものの、143円手前で上値重く推移している。
午前は5月の財新・中国サービス業PMIの発表や植田和男日銀総裁の参院財政金融委員会での答弁があったが、ドル円相場では材料視されなかった。午後0時35分の30年物国債入札の結果公表を控え、「金利が上下する警戒感から様子見ムードになっている」(先の外為仲介業者)との声も聞かれた。
ユーロは朝方に比べ対円で上昇、対ドルでは弱含み。正午現在、163円15~16銭(前日午後5時、164円06~08銭)、対ドルでは1.1417~1417ドル(同1.1386~1386ドル)。