〔東京外為〕ドル、143円台前半=国債発行見直し報道で上昇(27日午後3時) 2025年05月27日 15時04分
27日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、財務省の国債発行計画見直し報道を受けて買い戻しが強まり、1ドル=143円台前半に上昇した。午後3時現在は、1ドル=143円25~26銭と前日(午後5時、142円89~89銭)比36銭のドル高・円安。
午前は米国の関税政策の先行き不透明感や財政悪化懸念から売りが先行し、142円10銭前後と、4月29日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。植田日銀総裁が「2%の物価目標達成を確かなものにするために、経済・物価情勢の改善に応じて、金融緩和の度合いを調整していく」と述べたことも、ドル売り・円買いを後押しした。その後は、押し目買いなどで、142円10~30銭台でもみ合った。
午後は一部メディアが、財務省は2025年度の国債発行計画見直しを検討と報じると、超長期債の発行が減額されるとの見方から金利が低下し、ドル円は143円40銭台に急伸した。その後は上昇が一服、143円台前半の小幅なレンジで推移している。
ドル円は、大きく水準を切り上げる展開。市場関係者は「債券市場では超長期ゾーンへの警戒が強かったため、国債発行計画見直し報道を受けて安心感が広がった」(国内銀行)と説明。ただ、「米関税政策などを背景とするドル円の下落トレンドに変化はなく、買い戻しは一時的」(同)とみる向きが多い。
ユーロは正午に比べ対円で上昇、対ドルは下落。午後3時現在は、1ユーロ=163円00~03銭(前日午後5時、162円73~77銭)、対ドルでは1.1378~1379ドル(同1.1389~1389ドル)。