〔東京外為〕ドル、142円台前半=植田日銀総裁の発言で下落(27日正午) 2025年05月27日 12時06分

 27日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、植田日銀総裁の発言を受けて売りが強まり、1ドル=142円台前半に下落している。国際コンファランスのあいさつでの利上げに前向きと受け止められる発言が売りを誘った。正午現在、142円38~38銭と前日(午後5時、142円89~89銭)比51銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間は142円80銭台を中心にもみ合った。米国時間は休場で参加者が少ない中、一時143円前後まで浮上したが、その後は戻り売りに押され、終盤は142円70銭台に伸び悩む展開だった。欧米時間は総じて142円台後半のレンジ圏にとどまった。
 東京早朝は142円60銭台で推移した。午前9時すぎに植田総裁の「物価見通しが実現するなら金利を引き上げ、緩和度合いを調整する」との発言が伝えられると、売りが強まり、仲値すぎには一時142円10銭前後まで下値を切り下げた。その後は安値圏でもみ合う展開となっている。
 日銀は今月初めの金融政策決定会合で、トランプ米大統領の仕掛けた貿易戦争で不確実性が高まったことから、先行きの経済・物価見通しを引き下げた。従来に比べハト派姿勢に振れたこともあり、「本日の発言はややタカ派に振れた印象があり、ドル円の売りを誘ったのではないか」(為替ブローカー)とみられる。午後は売りも一巡し、「今夜の米経済指標の発表を待つムードが強まる」(大手邦銀)との声が聞かれる。
 ユーロも午前9時以降、対円は軟化。対ドルは強含み。正午現在、1ユーロ=162円20~23銭(前日午後5時、162円73~77銭)、対ドルでは1.1392~1393ドル(同1.1389~1389ドル)。

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