〔東京外為〕ドル、153円台半ば=急落受け、若干の押し目買い(5日午後3時) 2025年02月05日 15時08分
5日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、強い毎月勤労統計を背景とした日銀の追加利上げ観測を受け、一時1ドル=153円10銭前後と約2カ月ぶりの安値水準まで急落した後は若干の押し目買いが入り、153円台半ばに値を戻している。午後3時現在は、153円43~45銭と前日(午後5時、155円30~32銭)比では1円87銭の大幅ドル安・円高。
東京早朝は、前日の米国時間発表の昨年12月の雇用動態調査(JOLTS)が市場予想を下回り、米長期金利が低下してドル売り・円買いが進んだ流れを引き継ぎ、154円30銭前後で推移。昨年12月の毎月勤労統計で実質賃金がプラスとなり、「日銀の追加利上げの観測が強まった」(外為仲介業者)のを受け、ドル円の下落が加速した。
午前中の衆院予算委員会で赤沢亮正経済再生担当相が、植田和男日銀総裁が前日の衆院予算委で日本経済の現状を「インフレ状態」とする認識を示したことについて、「経済学的に申し上げれば、足元の消費者物価が上昇しているという点で、インフレの状態とおっしゃるのはその通りであり、植田総裁の認識と特に齟齬(そご)はない」と発言。さらに、正木一博日銀企画局長が「基調的物価が2%に向けて徐々に高まってきている」旨を述べたことも円買い要因になったという。
ただ、午後はじりじりと値を戻す展開。いったん、153円10銭前後まで売られ、200日移動平均線の152円80銭が接近したことで、「ひとまず買い戻しが入っている」(FX業者)との声が聞かれた。
ユーロは正午に比べ対円、対ドルで小幅安。午後3時現在、1ユーロ=159円22~23銭(前日午後5時、160円14~15銭)、対ドルでは1.0377~0378ドル(同1.0311~0312ドル)。