〔東京外為〕ドル、153円台前半=強めの賃金統計などで急落(5日正午) 2025年02月05日 12時09分
5日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日発表の米雇用関連指標が弱かったほか、日本の賃金統計が強めとなったことで売りが活発化し、1ドル=153円台前半に下落している。一時は153円近くまで下げた。正午現在、153円36~36銭と前日(午後5時、155円30~32銭)比1円94銭の大幅ドル安・円高。
前日の海外市場では、欧州時間は155円20~40銭前後でもみ合った後、米国時間に下げ足が強まった。中盤に発表された昨年12月の雇用動態調査(JOLTS)は非農業部門求人数が760万件と、市場予想(ロイター通信調べ)の800万件を下回り、米長期金利が低下。ドル円は一気に154円60銭台に下落し、終盤も売り優勢だった。
東京時間の早朝は154円30銭台で下げ渋っていたが、午前9時前に発表された昨年12月の毎月勤労統計で実質賃金がプラスとなり、「日銀の追加利上げの思惑が強まった」(為替ブローカー)とされ、154円20銭台に下落。午前9時以降、円金利の上昇を眺めた売りも加わり、午前11時過ぎには153円10銭台まで下値を切り下げた。正午にかけてはやや下げ渋っている。
前日の海外時間は「全般的にドル売りが優勢になった」(大手邦銀)が、東京時間は「賃金統計を契機に円買いが優勢となった」(先のブローカー)という。また、「154円割れの段階でストップロスのドル売り・円買いも出たようだ」(先の大手邦銀)と指摘されている。目先は「大きく売られた後を受け、いったん水準調整になるのではないか」(同)との声が聞かれる。
ユーロも午前9時以降、対円は続落、対ドルはもみ合い。正午現在、1ユーロ=159円27~28銭(前日午後5時、160円14~15銭)、対ドルでは1.0383~0385ドル(同1.0311~0312ドル)。