〔NY石油〕WTI小幅続伸、63.66ドル(22日) 2025年08月23日 05時03分

 【ニューヨーク時事】週末22日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナ和平の交渉に不透明感が強まる中、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ再開の検討が示唆されたことを受けて買いが優勢となり、小幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.14ドル(0.22%)高の1バレル=63.66ドル。11月物は0.12ドル高の63.23ドル。
 FRBのパウエル議長は22日、西部ワイオミング州で開催している年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、政策変更について、失業率の安定を踏まえると「慎重に進められる状況にある」と明言。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げが示唆されたと受け止められた。これを受けて、外国為替市場では対ユーロでドル安が進行。ドル建てで取引される商品の割安感につながったことから原油が買われた。
 一方、トランプ米大統領は21日公開のラジオインタビューで、ロシアとウクライナの首脳会議に向けた調整を進める中、和平実現について「2週間以内」に見通しが分かるとの見方を示した。ただ、ロシアのラブロフ外相は22日、ウクライナとの首脳会議について「予定されていない」と述べ、早期実現に懐疑的な見方を表明。和平交渉に向けた会議の実現性に不透明感が広がる中、米国による対ロシア制裁の行方を見極めたいとの思惑から、積極的な買いは手控えられた。
 ▽ガソリン=3営業日ぶり反落。中心限月9月物の清算値は0.12セント安の1ガロン=215.85セント。
 ▽ヒーティングオイル=5営業日ぶり反落。9月物の清算値は1.70セント安の1ガロン=230.81セント。

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