〔米株式〕NYダウ反落、113ドル安=ナスダックも安い(21日午前) 2025年08月21日 23時16分

 【ニューヨーク時事】21日午前のニューヨーク株式相場は、22日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えて様子見ムードが広がる中、反落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時5分現在、前日終値比113.65ドル安の4万4824.66ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は41.58ポイント安の2万1131.28。
 米カンザスシティー連邦準備銀行が主催する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が米西部ワイオミング州で、この日から3日間の日程で開かれる。パウエルFRB議長の講演を翌日に控え、様子見姿勢が強い中、ダウはひとまず売りが先行している。
 米小売り大手の業績先行きを巡る不透明感も投資家心理を圧迫。ウォルマートが発表した2025年5~7月期決算で売上高は市場予想を上回ったものの、調整後1株当たり利益(EPS)は予想を下回った。一方、底堅い販売を背景に、26年1月期通期の業績見通しを上方修正した。ただ、ターゲットやホーム・デポなど同業他社の間では売上高や利益の見通しがまちまちとなっており、市場ではかき入れ時であるホリデーシーズンの歳末商戦で、例年のような大きな利益がもたらされるかどうか懐疑的な見方が広がっている。
 一方、S&Pグローバルが発表した8月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値は53.3、サービス業PMIは55.4といずれも市場予想(ロイター通信調べ)を上回った。米民間有力調査会社コンファレンス・ボード(CB)が発表した7月の景気先行指数は0.1%低下と市場予想と一致。統計発表後、相場は下げ幅を縮小している。
 ダウ構成銘柄では、ウォルマートが4%超安とダウの下げを先導。セールスフォースも1%超安と下げが目立つ。一方、メルクやボーイングは買われている。

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