〔NY石油〕WTI上伸、63.52ドル(21日) 2025年08月22日 05時13分

 【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナ和平交渉の行方を巡る不透明感が根強い中、上伸した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.81ドル(1.29%)高の1バレル=63.52ドル。11月物は0.79ドル高の63.11ドル。
 トランプ米大統領は18日、欧州首脳らと会談し、ウクライナ停戦に関し協議した。トランプ氏はロシアによるウクライナ再侵攻を防ぐ「安全の保証」に関与する方針を確認。米軍地上部隊の派遣を否定する一方、防空支援の可能性に言及した。
 一方、ロシアのラブロフ外相は20日、プーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領が会談する可能性について、早期実現に懐疑的な見方を表明。「安全の保証」の計画にはロシアや中国も関与すべきだと主張した。さらに、この日はロシア軍がウクライナ領内に大規模な空爆を行ったとも報じられ、米政権による対ロ制裁強化への警戒感から、相場はじりじりと上昇した。
 また、米エネルギー情報局(EIA)が前日公表した週報で、原油在庫が予想を大幅に上回る取り崩しを記録したことも支援材料。ただ、市場では21~23日開催の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」を眺めて、様子見ムードが強かった。
 ▽ガソリン=続伸。中心限月9月物の清算値は3.14セント高の1ガロン=215.97セント。
 ▽ヒーティングオイル=4営業日続伸。9月物の清算値は4.55セント高の1ガロン=232.51セント。

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