〔NY石油〕WTIもみ合い、62ドル台(21日午前) 2025年08月21日 22時53分
【ニューヨーク時事】21日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナ停戦交渉などを巡る不透明感がくすぶり、もみ合いとなっている。この日から中心限月に繰り上がった米国産標準油種WTIの10月物は午前9時40分現在、前日清算値(終値に相当)比0.05ドル安の1バレル=62.66ドル。
週初18日の電話会談で、トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領はウクライナ和平実現に向けた工程を協議。米側はプーチン氏の意向を汲み、ロシア・ウクライナの首脳会談を調整中とされるが、ロシアのラブロフ外相は20日、早期の会談実現に懐疑的な見方を示した。その上で、ウクライナへの再侵攻を防ぐことを目的とした欧州諸国による「安全の保障」に関する計画についても、同国や中国に関与させるよう要求。停戦合意が遠のけば、米政権が対ロ制裁を強化するとの見方が早朝までの買いを支援した。
一方、米エネルギー情報局(EIA)が前日公表した週報では、原油在庫が予想を大幅に上回る取り崩しを記録。ただ、これは製油所稼働率の上昇や輸入拡大が要因とみられ、需要は低調との警戒感がくすぶる。また、景気動向を探る上で、21~23日開催の年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の様子を確認したいとの思惑も強く、相場は朝方になって徐々に値を消す展開となっている。