〔米株式〕NYダウ続伸、187ドル高=ナスダックは一時最高値更新(30日午前) 2025年06月30日 23時10分

 【ニューヨーク時事】週明け30日午前のニューヨーク株式相場は、トランプ米政権による各国との貿易協議の進展期待を背景にした買いに、続伸している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前週末終値比187.88ドル高の4万4007.15ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は45.46ポイント高の2万0318.92。一時、取引時間中の最高値を更新した。
 カナダ政府は29日、トランプ米大統領が打ち切りを表明した貿易交渉を巡り、両国が再開することで合意したと明らかにした。協議中止の原因となった米IT企業に対するデジタル課税をカナダが撤回したためで、7月21日までに妥結を目指すという。米相互関税上乗せ分の停止措置の期限を7月9日に控える中、米国と貿易相手国との通商協議が進展するとの楽観的な見方を受け、ダウはひとまず買い優勢となっている。
 一方、米上院は29日、トランプ氏の看板政策である大型減税法案の審議を続行。30日に採決となる見込みだが、与党共和党の財政規律派が反発する公算が大きく、法案の議会通過は見通せない状況となっている。投資家らは、引き続き動向を注視している。
 週内に5月の米雇用動態調査(JOLTS)や6月のADP全米雇用報告、6月の米雇用統計など、労働関連指標の発表を控えて様子見ムードも漂っている。
 ダウ構成銘柄では、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が堅調。米大手銀行22行が連邦準備制度理事会(FRB)による2025年のストレステスト(健全性審査)を通過したと伝わった。一方、ナイキやボーイングが下げている。

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