〔東京外為〕ドル、144円前後=期末要因の売りで下落(30日午後5時) 2025年06月30日 17時05分

 30日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、四半期末要因の売りが優勢となり、1ドル=144円前後に下落している。午前中は実需筋の買いも入ったが、買い一巡後は調整的な売りに押される展開だった。午後5時現在、144円12~12銭と前週末(午後5時、144円46~47銭)比34銭のドル安・円高。
 前週末の米国時間の序盤は、5月の個人消費支出の低調な結果を受けて、いったん144円30銭台に下落。ただ、コアPCE物価指数の伸びが予想を上回ったほか、月末に伴うドル買いフローが入ったことから144円90銭台に乗せた。終盤は、144円80銭付近で推移した。
 週明け東京早朝は、トランプ米大統領が日本の自動車貿易について「不公平だ」と不満を表明したことを受け、日米通商交渉の先行き不透明感から、一時144円20銭台に下落した。午前9時以降、実需筋の買いが入り、仲値にかけてはで144円70銭台に上昇。その後は調整売りで144円05銭前後に下げた。正午にかけて144円20銭台に持ち直したが、午後は日経平均の伸び悩みなどで143円台後半に軟化。終盤はやや買い戻され、144円前後で推移している。
 仲値前後は「実需筋の買いが強まった」(大手邦銀)ものの、日中を通しては「期末要因の調整的な売りが根強かった」(為替ブローカー)とされ、午後は下値模索となった。目先は「調整売りも一巡して、米雇用統計などを見極めるムードが強まるのではないか」(先の大手邦銀)との声が聞かれる。
 ユーロは終盤、対円は下げ渋り。対ドルは横ばい圏。午後5時現在、1ユーロ=168円91~93銭(前週末午後5時、169円24~25銭)、対ドルでは1.1720~1721ドル(同1.1715~1716ドル)。

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