「輪廻転生」存続示唆=近く後継巡り声明―ダライ・ラマ 2025年06月30日 18時00分

30日、インド北部ダラムサラの寺院で式典に出席するチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(中央)(AFP時事)
30日、インド北部ダラムサラの寺院で式典に出席するチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(中央)(AFP時事)

 【ニューデリー時事】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(89)は30日、居を構えるインド北部ダラムサラの寺院で演説し、自らの死後に生まれ変わりを探す「輪廻(りんね)転生」制度の存続を強く示唆した。
 7月2日には同地で開かれる宗教会議で後継問題に関するビデオメッセージを出す予定。伝統的な同制度に基づく後継者選出を明言する可能性がある。ダライ・ラマを「分離主義者」と見なす中国の反発と、後継選びへの介入が予想されている。
 ダライ・ラマはこの日、7月6日に控えた90歳の誕生日を祝う式典に出席。「制度の存続を議論する何らかの枠組みができるだろう」と述べた。また、体は健康とした上で「残りの人生をできる限り利他と仏教の教えにささげる」と強調した。
 同制度の存続に関してはこれまで、自身が90歳ごろになったら高僧らと相談し再検討すると表明。中国政府の介入を避けるため、存命中の後継者指名や高僧の中から選挙で選ぶ従来と異なる方法に言及したこともあった。 

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