輸入再開に時間も=中国の「本気度」に疑念―日本産水産物解禁 2025年06月30日 20時15分

東日本大震災後に日本から輸入したサバの放射能検査をするため、サンプルを取る検疫局の職員=2011年3月、中国山東省日照市(EPA時事)
東日本大震災後に日本から輸入したサバの放射能検査をするため、サンプルを取る検疫局の職員=2011年3月、中国山東省日照市(EPA時事)

 【北京時事】中国政府が日本産水産物の輸入を解禁し、条件を公表した。日本政府によると、中国への輸出を希望する企業のリストを中国当局に提出し、中国側が承認することが義務付けられている。しかし、すぐに承認されるかは不透明で、輸入再開には時間を要するとの見方も出ている。
 「日本の水産物を取り扱う企業は、中国側での企業登録を終えた時点から輸入を再開できる」。中国税関総署は公告でこう明らかにした。日本側は近く企業リストを中国側に提出する方針だが、ある業者は「中国が政治的な判断で登録時期を先延ばしする可能性もある」と、中国の「本気度」に対する疑念を口にした。
 日中両国は今回、日本側で放射性物質のストロンチウムとトリチウムの追加検査を行うことにも合意した。「相当高額」(政府関係者)とされる検査費用は日本側が負担する。その上、検査結果の判明には少なくとも1カ月が必要という。
 別の業者は「対中輸出のハードルは依然低くない。中国ではなく、東南アジアや米国などを重視するべきだとの声は根強い」と明かした。中国の対応次第では、中国以外の販路を拡大する動きが加速しそうだ。 

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