〔東京外為〕ドル、144円台後半=田村日銀審議委員発言で一時軟化(25日正午) 2025年06月25日 12時06分

 25日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀の田村審議委員のタカ派的な発言で一時1ドル=144円60銭前後に軟化。その後は買い戻しも入り、144円台後半で下げ渋っている。正午現在、144円79~80銭と前日(午後5時、145円27~30銭)比48銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間は145円前後を軸にもみ合った後、米国時間に下落した。弱めの米経済指標やハト派的と受け止められたパウエルFRB議長の議会証言などで早期利下げ観測が意識された。米長期金利が低下し、ドル円は中盤に144円50銭台に下落。その後は買い戻しも入り、終盤には144円80銭台に持ち直した。
 東京時間の早朝もおおむね同水準で推移した。午前9時以降、実需筋の買いが入り、仲値にかけては145円前後に水準を切り上げた。その後は、田村委員のタカ派的な発言を受けて売り戻され、午前11時前後に144円60銭付近に軟化。正午にかけては買い戻しが入り、144円台後半で下げ渋っている。
 田村委員は福島県金融経済懇談会でのあいさつで、「物価目標の実現時期が前倒しとなる可能性も十分ある」、「データを予断なく分析し早すぎず遅すぎず適時適切に利上げしていく」などと発言。市場では「タカ派的な発言と受け止められて、一時売りが強まった」(為替ブローカー)という。午後は、田村委員の会見が予定され、「発言内容次第では動意付く可能性もある」(同)とみられる。ただ、「週初の高値から急落した後でもあり、144円台後半がいったん落ち着きどころになる」(大手邦銀)との声も聞かれる。
 ユーロは午前9時以降、対円、対ドルでもみ合い。正午現在、1ユーロ=168円27~28銭(前日午後5時、168円40~45銭)、対ドルでは1.1620~1621ドル(同1.1591~1592ドル)。

市況・概況