〔東京外為〕ドル、143円台後半=国債発行見直し報道で上昇(27日午後5時) 2025年05月27日 17時06分
27日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、財務省の国債発行計画見直し報道による金利低下を受けて、1ドル=143円台後半に上昇した。午後5時は143円73~74銭と前日(午後5時、142円89~89銭)比84銭のドル高・円安。
午前は、米国の関税政策の先行き不透明感や財政悪化懸念から売りが優勢となり、142円10銭前後と、4月29日以来約1カ月ぶりの安値水準を付けた。植田日銀総裁が「2%の物価目標達成を確かなものにするために、経済・物価情勢の改善に応じて、金融緩和の度合いを調整していく」と述べたことも、ドル売り・円買いを加速させた。その後は、押し目買いなどで下げ止まり、142円10~30銭台で推移した。
午後は、財務省が2025年度の国債発行計画見直しを検討と一部メディアが報じると、超長期債の発行が減額されるとの思惑から超長期金利などが低下。ドル円は143円60銭台へ水準を切り上げた。
ドル円は、1カ月ぶりの安値を付けた後、国債発行見直し報道で大幅に切り返す荒い値動きとなった。市場関係者は「債券市場で超長期ゾーンへの警戒が強かったため、報道を受けて安心感が広がった」(国内銀行)と説明する。ただ、「(米国の関税政策の先行き不透明感や財政悪化懸念を背景とした)ドル安トレンドに変化はなく、一時的な買い戻しに過ぎない」(同)との見方が多い。別の国内銀行関係者からは「ドル離れが顕著であり、ドル円は下方向をみておいた方がいい」との声が出ていた。
ユーロは対円で上昇、対ドルは下落。午後5時は、1ユーロ=162円99~163円01銭(前日午後5時、162円73~77銭)、対ドルでは1.1340~1341ドル(同1.1389~1389ドル)。