「米抜き」枠組みを強化=中国首相、東南アジア歴訪で 2025年05月28日 20時37分

【北京時事】中国の李強首相は28日、インドネシアとマレーシアへの5日間の外遊日程を終え、帰国した。クアラルンプールでは、東南アジア諸国連合(ASEAN)とペルシャ湾岸6カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)との初の3者合同会議に出席。トランプ米政権が国際協調に背を向けている状況に乗じ、「米抜き」の枠組みの強化を図った。
「中国、ASEAN、GCCの総人口と経済規模は全世界の約4分の1を占める。三つの市場がつながれば、巨大な発展の余地が生まれる」。李氏は27日の合同会議でそう強調。「多国間主義と自由貿易を堅持し、一国主義に抵抗しよう」と語り、団結を訴えた。
中国メディアによると、同国はASEANとGCCにとって最大の貿易相手国。今回の合同会議は、米国の外交・通商政策が不透明感を増す中、他地域との連携拡大によりリスク低減を図りたい3者の思惑が一致し、実現した。
ASEAN首脳会議の議長声明は、米関税に対する「深い懸念」という表現を盛り込み、中国などと経済的つながりを強化していく方針を示した。習近平政権の意図に近い対米姿勢が示された形だ。