〔東京外為〕ドル、143円台後半=終盤、調整買いで下げ渋る(21日午後5時) 2025年05月21日 17時09分

 21日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日米財務相会談での円安是正要求を警戒した売りが続いた後、終盤に調整的な買いが入り、1ドル=143円台後半で下げ渋っている。このほか、財政悪化懸念で米国が(株・債券・通貨がそろって売られる)トリプル安になることへの懸念も重しとなった。午後5時現在、143円89~91銭と前日(午後5時、144円12~13銭)比23銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間は主要国株価指数の上昇を眺めて144円60銭台に買い戻された。米国時間の序盤は長期金利上昇に沿って、144円90銭台へ水準を切り上げた。中盤以降は長期金利の上昇一服や株安を受け、終盤には144円40銭付近へ軟化した。
 東京早朝は、イスラエルがイランへの攻撃を準備している、との報道でリスク回避ムードが広がり、144円10銭台に下落。午前9時以降は、144円05~35銭のレンジ圏でもみ合った。正午に向けては、日米財務相会談での円安是正要求を警戒した売りが再燃し、143円80銭台まで下押した。午後もジリ安となり、一時143円40銭台まで下押したが、同水準では買い戻しが入った。
 加藤財務相は20日、日米財務相会談について、「為替を含めて2カ国間の諸問題について議論したい」と表明。これを受けて、「米国から円安是正を求められることへの警戒感が重しになった」(大手邦銀)という。このほか、時間外取引での米長期金利上昇を眺めて「米トリプル安への懸念も全般的なドル売りを誘った」(為替ブローカー)との声が聞かれる。ユーロも終盤、対円では調整買いで持ち直す。対ドルはもみ合い。午後5時現在、1ユーロ=162円94~96銭(前日午後5時、162円50~53銭)、対ドルでは1.1323~1323ドル(同1.1275~1276ドル)。

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