〔NY金〕反発、3233.50ドル(19日) 2025年05月20日 04時14分
【ニューヨーク時事】週明け19日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米国債格下げを背景に安全資産としての金需要が高まり、反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前週末比46.30ドル(1.45%)高の1オンス=3233.50ドル。
米格付け大手ムーディーズ・レーティングスは16日、債務膨張を理由に、米国債の格付けを最上級の「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げたと発表。米国債が売られる半面、安全資産としての金買いが活発化。相場は早朝、一時3250ドル台に上伸した。
米関税政策を巡る懸念が再燃したことも相場の支援要因。ベセント米財務長官は18日、テレビ番組のインタビューで、トランプ米大統領が「誠意」を持って交渉しない貿易相手国に対し、4月に示した税率の関税を課す可能性に改めて言及したことが警戒された。
外国為替市場で、ドル安・ユーロ高となったこともドル建てで取引される商品の割安感につながり、金の買いを後押しした。
市場関係者の間からは、米国債格下げを背景に金が当面、安全な資金の確保先になり、様子見相場が継続するとの見解が聞かれた。
このほか、ロシアとウクライナの停戦協議を巡る地政学リスクもなお金の買い地合いに寄与しているもよう。この日は、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシアによる侵攻が続くウクライナ情勢を協議したことが明らかになった。
米民間調査会社コンファレンス・ボード4月の米景気先行指標総合指数は99.4と前月から1.0%低下となり、下げ幅は2023年3月以来の大きさとなった。市場予想(ロイター通信調べ)は0.9%低下。市場は統計発表直後売りで反応したが、押し目では買い戻し圧力が強かった。