豪2野党、保守連合を解消=選挙惨敗後の政策見直し決裂 2025年05月20日 16時58分

 【シドニー時事】オーストラリアの中道右派野党の自由党と国民党は20日、約80年の歴史を持つ政党連合の「保守連合」を解消した。今月の下院総選挙で同連合が惨敗したことを受け、自由党が政策の抜本的見直しを主張したのに対し、国民党が原発導入案などの維持を求め、協議が決裂した。与党・労働党が勢力を拡大した一方、分裂した両野党は再建へ厳しさが増しそうだ。
 自由、国民両党幹部は選挙後、政策見直しに向けた協議を続け、20日も話し合ったが、不調に終わった。自由党のリー党首は記者会見で「われわれは時間をかけて問題点を正し、党を近代化していく」と述べ、全ての政策を見直し対象とする方針を示した。
 これに対し、国民党のリトルプラウド党首は別途会見し、「われわれは原理原則に従って行動する」と強調。原発導入のほか、市場を寡占する大企業の強制的分割、地方のインフラ整備基金創設といった政策を堅持するため、自由党との提携解消という「苦渋の決断」に至ったと説明した。
 豪メディアによると、20日時点の下院勢力は自由党が28議席、国民党が15議席で、労働党の93議席と圧倒的な差がある。1940年代から続く保守連合は、70、80年代に短期間分かれた以外は結束を保ち、連立政権も担った。リー、リトルプラウド両氏とも将来の再統合については「門戸を開いている」と余地を残した。 

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