〔東京外為〕ドル、145円台前半=米債格下げでいってこい(19日午前9時) 2025年05月19日 09時15分

 19日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米国債の格下げを受けて上げ幅を削り、1ドル=145円台前半でいってこい。午前9時は、145円23~24銭と前週末(午後5時、145円25~26銭)比02銭の小幅ドル安・円高。
 前週末の海外市場では、欧州時間は東京終盤に売られた反動から買い戻され、145円60銭近辺へ浮上。米国時間の序盤は、5月のミシガン大消費者景況感指数が50.8と前月の52.2から市場予想を下回ると145円40銭近辺に下落したが、同時に発表された期待インフレ率が1年先、5年先ともに前月から上昇したため、146円10銭付近へ買い戻された。終盤は、ムーディーズ・レーティングスが、米国債の格付けを最上級の「AAA」から「Aa1」に引き下げたと発表すると、145円50台へ下落。19日の東京早朝は米債格下げが嫌気され、145円近辺まで水準を切り下げたが、その後は144円50銭台に買い戻された。
 ドル円は、インフレ再燃懸念から海外時間に買いが強まったもの、米国債の格下げで値を消す展開となった。市場では「米国売り」再燃への警戒感が広がっており、「きょうは、下値を試す」(外為仲介業者)という。別の関係者は「週明けの海外市場を含め、ドル円は143円台半ばまで下落する可能性がある」(FX業者)との見方を示す。
 今週は、日米の財務相会談が予定され、米国による円安是正要求への警戒感は根強い。また、関税政策を巡る3回目の日米の貿易協議の先行き不透明感もくすぶっており、「ドルは売られやすい」(資産運用会社)とみられている。
 ユーロは対円、対ドルともに下落。午前9時は、1ユーロ=162円49~52銭(前週末午後5時、162円79~80銭)、対ドルでは1.1188~1189ドル(同1.1208~1208ドル)。

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