〔NY石油〕WTI反発、61.53ドル(23日) 2025年05月24日 05時29分

 【ニューヨーク時事】週末23日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、3連休を前に買い戻しが台頭し、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.33ドル(0.54%)高の1バレル=61.53ドル。8月物は0.29ドル高の60.93ドルだった。
 トランプ米大統領はこの日朝、欧州連合(EU)との通商協議が停滞しているとした上で、6月1日付でEUからの輸入品に50%の関税を課すべきだとの見解を表明。貿易摩擦激化に伴うエネルギー需要の減退懸念が再燃し、相場は一時60ドル付近に急落した。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が6月1日に開く会合で、7月からの41万1000バレルの追加増産を決定するとの観測も重しとなった。
 しかし、その後は米メモリアルデー(戦没者追悼の日)の3連休入りを控え、相場は反転上昇。米国では毎年、同祝日が夏場のドライブシーズンの幕開けとされており、燃料需要の拡大を見込んだ買い戻しが活発化した。また、米国とイランはこの日、5回目の高官協議を行ったが、イランによるウラン濃縮活動の継続を巡って双方の主張にはなお隔たりがあるとみられ、協議決裂への警戒感も相場を下支えした。
 ▽ガソリン=3営業日続落。中心限月6月物の清算値は2.20セント安の1ガロン=210.92セント。
 ▽ヒーティングオイル=続落。6月物の清算値は1.27セント安の1ガロン=210.48セント。

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