〔NY外為〕円、145円台後半(16日) 2025年05月17日 06時39分
【ニューヨーク時事】週末16日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、1ドル=145円台後半で取引された。米インフレ期待の上昇を眺めて日中は軟調に推移したが、米国債格付け引き下げ発表を受けて終盤に値を戻した。午後5時現在は、前日同時刻と同水準の145円63~73銭。
米労働省が朝方発表した4月の輸入物価指数は前月比0.1%上昇。米関税発動を前に資本財需要が増大し、市場予想(0.4%低下)に反してプラスとなった。また、米ミシガン大学がまとめた5月の消費者調査(暫定値)では、1年先の期待インフレ率が7.3%と、4月確報値の6.5%から一段と上昇。米中関税引き下げ合意にもかかわらず、景気や物価に対する懸念の強さが明らかになった。
両統計の発表を受けて米長期金利が上向き、ドル買いを支援。円はジリ安となったが、為替に関する日米協議を巡る思惑から、146円付近で下げ渋った。21~22日開催の先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議に出席する加藤勝信財務相は、ベセント米財務長官との個別協議の機会を探っているという。今月5日には、米韓政府高官がマーケットについて協議したことが明らかになっており、今後円安是正が要求される可能性もあるとして、市場は警戒感を強めている。
取引終盤に、米格付け大手ムーディーズ・レーティングスが米国債の格付けを最上級の「AAA」から「Aa1」に引き下げたと発表し、円が買い戻された。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1160~1170ドル(前日午後5時は1.1180~1190ドル)、対円では同162円48~58銭(同162円82~92銭)と、34銭の円高・ユーロ安。