〔NY金〕反落、3187.20ドル=1カ月ぶり安値―週間は4.69%安(16日) 2025年05月17日 04時09分

 【ニューヨーク時事】週末16日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中貿易摩擦の緩和期待を背景に市場のリスク選好度が高まる中、利益確定の売りが膨らみ、大幅反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比39.40ドル(1.22%)安の1オンス=3187.20ドルと、中心限月の清算値ベースで4月上旬以来、約1カ月ぶりの安値となった。週間では156.80ドル(4.69%)下落した。
 米中両政府が関税を引き下げ、90日間の交渉期間を設けることで合意したことを受けて、貿易摩擦緩和への楽観的な見方が台頭している。このため、投資家のリスク選好意欲が回復し、安全資産としての金需要は後退。利益確定の売りや手じまい取引が活発になり、相場は一時3150ドル台まで下落した。外国為替市場でドル高・ユーロ安となったことも、ドル建てで取引される金の割高感につながり売りを後押しした。
 一方、米ミシガン大学が午前発表した5月の消費者景況感指数(暫定値)は50.8(前月確報値52.2)と、過去2番目の低水準となった。週内の一連の米経済指標で、景気減速の兆しやインフレ鈍化傾向の継続などが示され、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内、複数回の利下げを行うとの観測が拡大。利子の付かない資産である金の投資妙味が増すとの期待も根強く、売り一巡後は若干下げ幅を縮小した。

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