〔NY石油〕WTI3日ぶり反発、62.49ドル=週間では2.41%高(16日) 2025年05月17日 04時50分

 【ニューヨーク時事】週末16日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米イラン両政府の核合意の進展が注視される中、安値拾いの買いが先行し、3日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.87ドル(1.41%)高の1バレル=62.49ドル。週間では2.41%高となった。7月物は0.82ドル高の61.97ドル。
 米イランの核合意に対する期待を背景に、前日の相場は供給過剰懸念から2%超安となった。この日は安値拾いの買いや週末を前にした持ち高調整の買い戻しが優勢となった。
 ロシアとウクライナの停戦協議の進展が限定的だったことも相場の下支え要因となった。両国の代表団が16日、トルコ最大都市イスタンブールで協議。終了後の両代表団の説明によると、ウクライナ側は首脳会談の実施を要請し、双方が近く約1000人の捕虜交換を行うことで合意した。ロシア側は「結果に満足しており、協議を継続する用意がある」と話した。「30日間の停戦」を巡る議論では、ロシアは「紛争の根本原因の除去」が必要と主張。一部報道によると、ロシア側は条件を突き付け、ウクライナ外交筋は反発したという。
 一方、国際エネルギー機関(IEA)は15日発表した5月の石油市場報告で、経済的逆風や電気自動車(EV)の記録的な販売で年末にかけて原油需要が減速するとの見通しを示した。需要先行き懸念も根強く、原油の上値は抑えられた。
 ▽ガソリン=反発。中心限月6月物の清算値は0.74セント高の1ガロン=214.18セント。
 ▽ヒーティングオイル=続落。6月物の清算値は2.54セント安の1ガロン=214.06セント。

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