〔NY金〕4日ぶり反落、2876.70ドル(6日) 2025年02月07日 04時59分
【ニューヨーク時事】6日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、3営業日連続で史上最高値を更新した反動から利益確定の売りが優勢となり、4営業日ぶりに反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比16.30ドル(0.56%)安の1オンス=2876.70ドル。
前日の取引時間中には、心理的な節目となる2900ドルの大台も突破していた。この日は重要指標である米雇用統計の発表を翌7日に控え、利益確定目的の売りや持ち高調整目的の売りが優勢だった。外国為替市場でユーロに対してドル買いが優勢となり、ドル建てで取引される商品の割高感につながったことも、金塊の重しとなった。
ただ、米中貿易摩擦激化をめぐる警戒感から安全資産として金を買う動きは根強く、金塊相場の下値は限定的。世界貿易機関(WTO)は5日、トランプ米政権による対中追加関税を巡り、中国が米国をWTOに提訴したと発表した。トランプ氏は近く、中国の習近平国家主席と電話会談する見通し。
UBSは6日、米中貿易摩擦や地政学的リスクなどを理由に、金の現物相場が今後12カ月間で、1オンス=3000ドルまで上昇するとの見通しを示した。また米メディアなどによると、シティグループも金相場が今後3カ月以内に3000ドルまで到達すると予想。2025年の平均相場見通しを2900ドルとし、従来予想の2800ドルから引き上げた。
米労働省が発表した新規の失業保険申請件数は、1日までの1週間で前週比1万1000件増の21万9000件と、市場予想(ロイター通信調べ)の21万3000件を上回る内容だったが、相場の反応は限定的だった。