〔NY金〕反発、2778.90ドル=週間では1.10%高(24日) 2025年01月25日 04時52分

 【ニューヨーク時事】週末24日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、トランプ米大統領による米連邦準備制度理事会(FRB)への利下げ要求をきっかけとしたドル安を背景に、反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比13.90ドル(0.50%)高の1オンス=2778.90ドル。中心限月の清算値ベースで昨年10月下旬以来約3カ月ぶりの高値を付けた。週間では1.10%高となった。
 トランプ氏は23日、FRBに利下げを求め、パウエルFRB議長と「適切な時」に協議する意向を示した。市場は、来週28、29両日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き決定をほぼ織り込んでいるものの、今後の利下げペースや回数についてはさまざまな思惑が広がっている。この日は米長期金利の指標である10年債利回りが低下する中、金利を生まない資産の投資妙味が意識され、買いが優勢となった。対ユーロでドルが下落したことも、ドル建てで取引される商品の割安感につながり、相場を支援した。
 トランプ氏の関税などの政策を巡る不確実性を背景に、安全資産とされる金にリスク回避の買いが集まる面もあった。同氏は、23日放映の米FOXテレビのインタビューで、中国の習近平国家主席との最近の電話会談が友好的だったと明らかにした上で、中国の不公正な貿易慣行に関し「(取引は)可能だ」と発言。その上で中国に対する追加関税は「使わない方がよい」とし、交渉を重視する考えを示した。
 市場参加者の間では、金相場は年内に3175ドルまで上昇する可能性があるとの見方も聞かれた。

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