〔東京外為〕ドル、155円台前半=タカ派的な展望リポートで下落(24日午後5時) 2025年01月24日 17時45分

 24日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀の展望リポートがタカ派的と受け止められたことで今後の追加利上げが意識され、1ドル=155円台前半に下落した。午後5時現在は、155円37~38銭と前日(午後5時、156円59~62銭)比1円22銭の大幅ドル安・円高。
 早朝は155円90銭~156円00銭台で小動き。仲値公示に向けては週末に伴う実需買いが強まり、156円20銭台に浮上。その後も日銀金融政策決定会合の結果公表を控えた調整買いなどで、156円30銭台まで水準を切り上げた。午前11時半ごろ、トランプ米大統領が対中関税を積極的には望んでいない旨の発言をしたことが報じられると、155円80銭台に下落。正午すぎに日銀が0.25%の利上げを決定したことが伝わると、「材料出尽くし感から買いが強まった」(国内銀行)とされ、156円40銭近辺に急伸。しかし、その後は展望リポートの上方修正がタカ派的と受け止められ、次回の利上げが早まるとの見方から155円近辺に押し戻された。午後3時半から始まった植田総裁会見の序盤には一時154円80銭台に下落する場面があったが、会見終盤にかけては155円60銭台を回復。東京時間の終盤に向けては155円20~40銭台に軟化した。
 日銀の利上げについて、市場関係者は「利上げを継続すること自体は強く伝わったが、拙速な利上げを意識しているわけではなく、今回の利上げがドル円に与える影響は限定的」(資産運用会社)と指摘。植田総裁の会見に関しては、「会見は中立的で手掛かりとなる発言はなく、思惑的な売買が中心だった」(国内証券)とみていた。
 ユーロは対円で下落、対ドルで上昇。午後5時は、1ユーロ=162円54~56銭(前日午後5時、162円86~88銭)、対ドルでは1.0460~0461ドル(同1.0400~0400ドル)。

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