〔NY金〕反発、2428.90ドル(15日) 2024年07月16日 04時11分

 【ニューヨーク時事】週明け15日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、反発した。米金融政策の先行きを探る上で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が注目を集めたが、内容に新味はなく、値動きは限定的だった。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前週末比8.20ドル(0.34%)高の1オンス=2428.90ドル。
 最近発表の米経済指標がインフレや労働市場の落ち着きを示唆したことから、この日は利下げ観測を背景とした買いが先行した。昼すぎに始まった対談イベントで、パウエルFRB議長はインフレ率が2%へ低下するまで利下げを待つのは「長すぎる」と述べた一方、持続的なインフレ低下について「もっと確信を得たい」と強調。市場が急速に織り込みつつある9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げに関してはコメントを避け、相場は幾分上げ幅を縮小した。
 このほか、トランプ前大統領が13日夕、選挙集会で演説中に銃撃を受けて負傷。この事件が11月の大統領選に及ぼす影響にも注目が集まった。危機一髪の状況にもかかわらず、同氏が「不屈の精神」を示したことで、大統領に返り咲く確率が高まったとの見方が現段階では多く、政局不透明感が薄れたことは強材料。半面、4~6月期の中国の実質GDP(国内総生産)が前年同期比4.7%増に鈍化し、中国勢による金買いが細るとの懸念が投資家心理を冷やした。

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