〔NY外為〕円、160円台後半=対ユーロは再び最安値(28日) 2024年06月29日 06時18分

 【ニューヨーク時事】週末28日のニューヨーク外国為替市場では、米物価統計の消化後、米長期金利が反転上昇したことで円売り・ドル買いが優勢となり、円相場は1ドル=160円台後半に押し戻された。午後5時現在は160円84~94銭と、前日同時刻(160円72~82銭)比12銭の円安・ドル高。対ユーロでは一時1ユーロ=172円44銭を付け、前日に続き最安値を更新した。
 朝方発表された5月の米個人消費支出(PCE)物価は、総合指数、価格変動が激しい項目を除いたコア指数ともに前年同月比2.6%上昇。伸び率はともに前月から鈍化し、市場予想と一致した。インフレ沈静化の兆しが改めて示されたとして、市場では連邦準備制度理事会(FRB)による年内利下げ観測が拡大。相場は円高・ドル安方向に振れ、一時160円20銭台を付けた。
 しかし、その後は米長期金利が一転して大幅上昇し、円は下落。仏国民議会(下院)選挙の第1回投票を30日に控えて欧州市場の終盤に債券売りが活発化、米市場にも動意が波及した。
 その後は、次の重要イベントを前に持ち高調整の商いとなり、相場は160円70~90銭台を浮動。来週は連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11~12日開催分)が公表されるほか、6月の雇用統計など労働市場に関する米指標の発表が相次ぐ。インフレの落ち着きに加え、労働市場の軟化が確認できるかどうかが、利下げ時期を探る上で焦点になっている。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0708~0718ドル(前日午後5時は1.0699~0709ドル)、対円では同172円32~42銭(同172円03~13銭)と、29銭の円安・ユーロ高。

市況・概況