〔東京外為〕ドル、一時161円台前半=実需筋の買いで上昇(28日午後5時) 2024年06月28日 17時05分

 28日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需筋の買いが強まり、午前中に一時1ドル=161円20銭台と、1986年12月以来、約37年半ぶりの高値を更新した。その後は介入警戒感などから伸び悩んだ。午後5時現在、160円92~93銭と前日(午後5時、160円54~55銭)比38銭のドル高・円安。
 ドル円は早朝、前日の海外市場でやや買いが強まった流れから160円70銭台で取引された。午前9時以降、実需筋の買いが先行し、仲値にかけて一時161円20銭台まで上昇。ただ、同水準では介入警戒感が強く、正午前後は160円90銭台に伸び悩んだ。午後は買い直される場面もあったが、上値を攻めきれず、終盤は再び160円90銭台に水準を切り下げている。
 前日の米国時間は、1~3月期米GDP確定値の個人消費が下方修正されたことで160円20銭台に反落。中盤以降は、四半期末要因とみられる買いが入ったほか、ユーロ円の上昇にも支援され、終盤は160円80銭台に持ち直した。
 東京時間は、実需筋の買いで161円台前半へと水準を切り上げたが、「買い一巡後は介入警戒感から戻り売りが厚かった」(為替ブローカー)という。午後は、時間外取引で米長期金利が低下したこともドル円の重しとなった。目先は、日本時間の今夜に5月の米PCE物価指数発表を控え、「いったんはもみ合い商状となるだろう」(大手邦銀)との声が聞かれる。
 ユーロは終盤、対円、対ドルで小高い。午後5時現在、1ユーロ=172円12~13銭(前日午後5時、171円61~62銭)、対ドルでは1.0696~0697ドル(同1.0689~0690ドル)。

市況・概況