〔NY外為〕円、160円台後半=37年半ぶり安値(26日) 2024年06月27日 06時24分

 【ニューヨーク時事】26日のニューヨーク外国為替市場では、早期の米利下げ観測が後退する中、日米の金利差が当面維持されるとの見方から円売り・ドル買いが一段と加速した。円相場は一時1ドル=160円88銭と、1986年12月以来約37年半ぶりの安値に下落した。午後5時現在は160円78~88銭と、前日同時刻(159円61~71銭)比1円17銭の大幅な円安・ドル高。
 米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事やクック理事が25日、相次いで利下げを急がない姿勢を改めて示唆。これを受けて、FRBによる高金利の政策が続くとの見方が広がり、米長期金利が上昇。日米金利差が当面は縮小しないとの観測から円売り・ドル買いの流れが終日続く展開となった。心理的な節目となる160円台に下落したことで円売りの流れが一段と強まった面もある。
 ただ日本政府・日銀は、4月26日から5月29日までに月次としては過去最大規模となる計9兆7885億円の為替介入を実施しており、160円台後半では、円買い介入への警戒感から神経質な商いとなった。財務省の神田真人財務官は26日、37年半ぶりの水準まで円安が進行したことについて「深刻な懸念を有しており、高い警戒感を持って市場の動向を注視している」と発言。市場の投機的な動きを強くけん制したことで、一時的に円が買われる場面もあったものの、円安・ドル高地合いを反転させる勢いはなかった。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0675~0685ドル(前日午後5時は1.0709~0719ドル)、対円では同171円64~74銭(同170円98銭~171円08銭)と、66銭の円安・ユーロ高。円は一時171円79銭と、欧州単一通貨ユーロが導入された1999年以降の最安値を更新した。

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