〔NY外為〕円下落、160円60銭台=37年半ぶり安値、介入警戒(午前10時) 2024年06月27日 03時40分

 【ニューヨーク時事】26日午前のニューヨーク外国為替市場では、米早期利下げ観測が後退する中、日米金利差を意識した円売り・ドル買いが加速し、円相場は一時1ドル=160円60銭台前半に下落した。これは1986年12月以来、約37年半ぶりの円安水準。市場では日本政府・日銀による為替介入への警戒感が再び強まっている。
 午前10時現在は160円40~50銭と、前日午後5時(159円61~71銭)比79銭の円安・ドル高。
 米連邦準備制度理事会(FRB)高官の早期利下げに否定的な発言を受け、米長期金利が上昇。市場では、高金利のドルを買って低金利の円を売る動きが広がった。日本の通貨当局が4月末に介入を行ったとみられる160円の「防衛ライン」を超えたことで、円売りに勢いがついた。
 財務省の神田真人財務官は最近の急速な円安の進行について「深刻な懸念を有している」と発言。円はいったん160円近辺まで戻したが、反応は限定的だった。
 円は4月29日に160円台に下落した直後、154円台まで急反発。5月3日には一時151円台後半まで上昇した。その後、日本政府・日銀が月次として過去最大の9兆7885億円の為替介入を行っていたことが判明したが、日米金利差や米国株の投資人気などを背景とした円売り圧力は根強く、わずか2カ月で介入前の円安水準に押し戻された形だ。
 円は対ユーロでも売られ、午前10時現在は1ユーロ=171円30~40銭(前日午後5時は170円98銭~171円08銭)と、32銭の円安・ユーロ高。

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