〔NY石油〕WTI続落、80ドル台(26日午前) 2024年06月27日 00時19分

 【ニューヨーク時事】26日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米官民の週間在庫統計が大幅な積み増しを示したことから、続落している。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は午前10時40分現在、前日清算値(終値に相当)比0.33ドル安の1バレル=80.50ドル。
 米エネルギー情報局(EIA)が26日公表した週間在庫統計(21日までの1週間)では、米原油在庫は前週比360万バレル増と、市場予想(290万バレル減=ロイター通信調査)に反する大幅な積み増しとなった。ガソリン在庫も減少予想に対して270万バレル増加。需給の緩みを示唆する結果となり、相場はマイナス圏に沈んでいる。
 相場は、在庫統計発表までは地政学的リスクが押し上げ要因となり、堅調に推移していた。米メディアの報道によると、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は25日、新型の弾道ミサイルを使用し、アラビア海の船舶を攻撃したと主張した。
 イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦激化も引き続き中東情勢の緊迫化につながっている。訪米したイスラエルのガラント国防相は25日、オースティン米国防長官と会談した。AFP通信によると、オースティン氏はイスラエルとヒズボラとの交戦激化を巡り、「新たな戦争は、中東に恐ろしい結果をもたらす地域紛争に直結しかねない」と警告。一方、ガラント氏はヒズボラとの本格的な戦闘を辞さない考えを示唆した。

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