利下げ0.5%は失業率上昇を強く意識=FOMC経済見通し・FF金利予想 2024年09月20日 09時44分

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は9 月18 日、フェデラルファンド金利(FF金利)の0.5%利下げを決定しました。また、参加メンバーが提示した「経済・政策金利見通し」を公表しました。この見通しによると、米国経済のリセッション入りは回避されたこと、失業率が前回予想より悪化していること、インフレは目標の2%に近づいていることを示しています。今回の利下げは失業率の増加を強く意識したものと推察されます。FF金利の予想中央値は、今年末までにに合計0.5%の利下げが行われること、2025年内には1%程度の利下げが想定されることを示しています。

 ただ、この予想は米国経済がこの予想通りに展開する前提に基づくもので、11月には米大統領選を控え、その結果次第では、対中国への関税率アップ、企業への課税率の変更などの不確定要因があり、関税アップはインフレ再燃の可能性、企業への課税率変更は企業業績への影響といった懸念材料があります。

 FF金利のドットプロットは今年から来年にかけて大幅な利下げが行われる軌道を表わしています。年内残り2回のFOMCで合計0.5%の利下げが決定される公算は高いものの、2025年はドットが縦に分散されていて、これはFOMC参加メンバーの意見が分かれている証左であり、様々な不確定要因を内在していることを示しています。



 ※ FRB発表のProjection Materials からゴールデンチャート社が作表

(H・N)

[ゴールデン・チャート社]

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