当面は一進一退 2024年07月01日 14時51分

野村証券ストラテジスト沢田麻希氏
 日米金融政策に対する不透明感から日経平均株価の上値は重く、3万8000~4万円の間で一進一退の展開が当面続く。7月末の金融会合後に先行きが見通せる状況となれば、買い戻しの動きが出やすくなる。
 日銀は次の決定会合で国債買い入れの具体的な減額計画を公表するとみられるが、追加利上げの可能性は低いと考えられる。6月の東京都区部消費者物価指数は前年同月比2.1%上昇したが、基調的な物価上昇率は低下傾向にある。持続的な2%の物価安定目標の達成を確信するのは難しい。
 利上げ時期は秋頃を予想するが、緩やかな金利上昇であれば株価の重しになりづらい。金利が上向く局面でも賃金と物価の好循環への確度が高まれば、株価も上昇する流れになる。
 10月以降の中間決算発表で保守的な通期業績見通しが上方修正されれば、株価上昇に弾みがつく。日経平均も最高値を超える動きが期待できる。

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