〔東京外為〕ドル、150円台半ば=実需買いと日銀総裁発言で上昇(21日午後5時) 2025年02月21日 17時11分

 21日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需買いや植田日銀総裁の「国債買い入れ増額」発言を受けて買いが優勢となり、1ドル=150円台半ばに上昇した。午後5時現在は、150円54~55銭と前日(午後5時、150円15~17銭)比39銭のドル高・円安。
 東京早朝は149円50~70銭台で取引された。午前8時半に発表された1月のコア消費者物価指数(CPI)上昇率が市場予想を上回ったことを受け、円を買う動きが強まり、いったん149円20銭台に値を下げた。その後は、国内輸入企業による実需買いが入ったほか、植田総裁の「国債買い入れ増額」発言を受けた買いも加わり、150円70銭台に急伸。同水準では上昇一服となり、正午に向けては150円40銭台に軟化した。
 午後序盤は150円台前半を中心に方向感なく推移。その後、週末を控えた調整買いなどに支援され、午後3時すぎに150円50銭台に浮上すると、終盤は150円40~60銭台のレンジでもみ合う展開だった。
 ドル円は早朝の安値から1円以上水準を切り上げた。市場では「CPI発表後に材料出尽くしでショートカバーが入った」(FX会社)ことに加え、「植田総裁の発言が一段のドルの買い戻しを誘った」(同)との指摘があった。
 もっとも「日銀の利上げ観測を背景に、ドル円は上値の重さが意識される」(大手証券)といい、ドル安・円高地合いが続くとの見方が多い。「トランプ関税やウクライナ情勢を巡る不透明感からドルが買いづらい」(先のFX会社)との声も聞かれた。
 ユーロは対円、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=157円96~97銭(前日午後5時、156円65~67銭)、対ドルでは1.0490~0491ドル(同1.0431~0431ドル)。

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