トランプ関税、協議本格化=メキシコ、EUと閣僚会談―近く日本も 2025年02月21日 15時19分

トランプ米大統領=13日、ワシントン(EPA時事)
トランプ米大統領=13日、ワシントン(EPA時事)

 【ワシントン、サンパウロ時事】トランプ米政権が打ち出した関税政策を巡り、各国・地域との協議が本格化した。欧州連合(EU)とメキシコの担当閣僚は、ワシントンでラトニック米商務長官らと相次いで会談。米国による鉄鋼、アルミニウムへの25%の追加関税や貿易不均衡の是正などを巡って意見交換した。互いに関税をかけ合う「貿易戦争」の回避を目指す。
 日本も近く武藤容治経済産業相が訪米し、関税措置の適用除外を求める意向だ。歴代米政権は、日本の自動車市場での非関税障壁や、農産品への高関税を問題視しており、交渉が難航する可能性もありそうだ。
 EUのシェフチョビッチ欧州委員(通商・経済安全保障担当)は19日、米国側と約4時間にわたって協議。翌20日の会見では、互いの関税措置による「不必要な痛みを避け、建設的な対話を模索する」と述べた。
 トランプ米大統領は「EUは米国の自動車も農産品も受け入れない」と物品取引での対EU貿易赤字への不満を繰り返し表明。EUの乗用車への関税が10%と米国より高いと批判している。
 シェフチョビッチ氏は会談に先立つ講演で、金融やITなどサービス分野では、米国が対EUで黒字を計上していることや、トラックへの米国の高関税などを指摘。「米国の一方的な関税引き上げを正当化する理由はない」と主張し、理解を求める考えを示した。
 メキシコは、不法移民や合成麻薬の米国流入への対抗措置としてトランプ氏が表明した25%関税の発動も3月4日に控える。エブラルド経済相は20日の会談後、「建設的な対話」だったと振り返り、週明けから貿易に関する「共同作業」を始めると発表した。
 米国による鉄鋼、アルミ追加関税の発動日は3月12日。米政権は、自動車や医薬品などへの関税のほか、関税や非関税障壁が高い国・地域に相応の関税を課す「相互関税」などの検討を進めており、トランプ氏得意の「ディール(取引)」の行方は見通せない。 

注目ニュース