円、今年の最安値=151円台後半、介入水準に迫る 2023年11月13日

 円相場が13日の東京外国為替市場で一時、1ドル=151円80銭まで下落し、10月31日の海外市場で付けた今年の最安値を更新した。日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが進んだ。昨年10月21日に政府・日銀が円買い・ドル売り介入を実施した際の安値となる151円90銭台が近づき、市場では介入警戒感が出ている。
 東京市場の午後5時現在は151円73~74銭と、前週末の同時刻比36銭の円安・ドル高。その後の海外市場でさらに円安が進んだ。
 この日の円安の材料となったのは、米長期金利の再上昇だ。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が9日(日本時間10日)の講演で、追加利上げが「適切ならためらわない」と述べ、インフレ抑制のための金融引き締めが長期化するとの観測が強まった。米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが10日(同11日)に米国債の格付け見通しを引き下げたことも長期金利の上昇を誘った。日銀は大規模金融緩和を維持する姿勢を示しており、金利差を意識した円売り・ドル買いが進みやすくなっている。 

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1ドル=151円台後半の円相場を示す電光ボード=13日午後、東京都中央区
1ドル=151円台後半の円相場を示す電光ボード=13日午後、東京都中央区

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