FRB理事を異例の解任=圧力一段と―トランプ米大統領 2025年08月26日 09時29分

米連邦準備制度理事会(FRB)のビル=ワシントン(AFP時事)
米連邦準備制度理事会(FRB)のビル=ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は25日、連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事を、住宅ローンに関連して虚偽の申告をしたとして、即時解任すると発表した。クック氏宛ての書簡をSNSで公表した。
 独立した地位が保障されているFRB理事を、大統領が解任するのは異例。米メディアによると、クック氏は弁護士を通じ、「トランプ氏は理由がないのに解任を主張しており、解任の権限はない」と強調。「私は辞任しない」と明言した。
 トランプ氏は利下げが遅過ぎるとパウエル議長を批判し、辞任するよう繰り返し要求していた。今回の解任劇により、FRBへの政治的な圧力が一段と強まった形で、金融政策運営の信認が揺らぐとの懸念が高まりそうだ。
 トランプ氏は書簡で、連邦準備法の規定では、「正当な理由」があれば大統領の権限で理事を解任できると主張。クック氏がローン借り入れで優遇的な条件を得るため、銀行への書類や不動産の記録を偽造したとするパルテ連邦住宅金融局(FHFA)局長の告発を踏まえ、「虚偽の申告をした可能性があると思われる十分な理由がある」と強調した。 

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米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事=6月25日、ワシントン(AFP時事)
米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事=6月25日、ワシントン(AFP時事)

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