アジア安保会議が開幕=米戦略焦点、対中対話は低迷―シンガポール 2025年05月30日 22時54分

【シンガポール時事】世界の国防幹部らが集まる「アジア安全保障会議」(通称シャングリラ会合)が30日、シンガポールで3日間の日程で開幕した。アジア地域には、「米国第一」を掲げるトランプ米政権が安保面での関与を弱めることへの不安がくすぶる。中国が覇権主義的動きを強める中、ヘグセス米国防長官がトランプ政権のアジア戦略をどう示すかが焦点だ。
開幕日の30日には、フランスのマクロン大統領が基調講演した。米中対立の深刻化を念頭に「現在世界が直面している主要なリスクは二つの超大国間の分裂だ」と指摘した。各国が米中どちらの「側」に付くかを迫られれば、国際秩序が崩壊の危機にさらされると強調。いずれにも偏らない「戦略的自立」の重要性を語り、欧州とアジアの協調を訴えた。
31日にはヘグセス氏がインド太平洋戦略に関して演説する。日本からは中谷元防衛相が出席し、ヘグセス氏をはじめ各国国防相と会談する予定。台湾情勢や東・南シナ海問題のほか、北朝鮮の核・ミサイル開発、ロシアのウクライナ侵攻などが議題となる見通しだ。