マスク氏、トランプ政権離脱=「政府効率化」主導も混乱招く―米 2025年05月29日 10時04分

米国の「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家イーロン・マスク氏(左)とトランプ大統領=3月22日、東部ペンシルベニア州フィラデルフィア(ロイター時事)
米国の「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家イーロン・マスク氏(左)とトランプ大統領=3月22日、東部ペンシルベニア州フィラデルフィア(ロイター時事)

 【ワシントン時事】トランプ米政権で「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家イーロン・マスク氏が28日、政府の役職を離れると発表した。X(旧ツイッター)で「政府特別職員」としての任期が満了したと明らかにし、「トランプ大統領に感謝する。DOGEの使命は今後さらに強化される」と述べた。
 マスク氏は昨年、約3億ドル(約437億円)近くの政治献金を行い、トランプ氏に接近。「政府の無駄削減」の顔として政権入りした。だが、DOGEによる連邦職員の拙速な解雇が混乱と批判を招いた。4月の中西部ウィスコンシン州最高裁判事選では、マスク氏が支持を前面に打ち出した保守系候補が惨敗。政権の「重荷」になったとささやかれていた。
 DOGEへの反発は、マスク氏が経営する電気自動車(EV)大手テスラの不買運動につながり、車両や販売店への破壊行為へと広がった。同氏の言動が経営に大きな打撃をもたらし、政権を離れてビジネスに専念するよう求める声が上がっていた。 

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