日経平均息切れ
ニッセイ基礎研究所上席エコノミスト上野剛志氏 2024年07月09日 14時51分

 目先1カ月は積極的な買い材料に欠ける中、利益確定売りが優勢になるだろう。日経平均株価は史上最高値を更新しているが息切れ気味で、3万8500~4万2000円での推移が予想される。
 日銀は7月の金融政策決定会合で、追加利上げを見送るだろう。これまでは円安が株価上昇をけん引してきた。しかし、円売り圧力が強まっても、1ドル=165円までには政府・日銀が円買い・ドル売りの市場介入に動くとみられ、円安が進む余地は限られると推測される。
 一方、米国で景気停滞とインフレが同時進行するスタグフレーションに対する懸念が高まれば、日経平均は3万8500円を下回る可能性がある。ただ、年末にかけては上昇要因が増えそうだ。10~12月期には国内実質賃金がプラスに転じると推測。米大統領選翌月の12月には米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを開始し、日本株はいったん買われるとみている。

私の相場観