ボックス圏での動き
ニッセイ基礎研究所主任研究員・前山裕亮氏 2024年06月21日 15時15分

 今は上値を重くする要因が多く、第1四半期の決算発表までは、日経平均株価は3万7000~4万円程度のボックス圏での動きとなりそうだ。
 6月の日銀の金融政策決定会合を通過したが、金融政策の不透明感は払拭できておらず、日本株にとって重しとなっている。2024年3月期の決算で示された今期業績予想は慎重な内容が目立った。日本企業は年度初めの予想を保守的にする傾向があるが、今後の決算発表で収益の伸びを確認するまでは、業績に対する期待は高まりにくい。足元の株価が株価収益率(PER)で見て割安でなくなっていることも、日経平均の上値を抑えると思われる。日米で政治が不安定化していることも投資家心理にはマイナスだ。
 ただ、米国株がエヌビディアなど半導体中心に上昇し、日本の半導体株にも買いが波及すれば、ボックスの上限を切り上げる可能性もある。

私の相場観