〔NY外為〕円、144円近辺(30日) 2025年07月01日 06時23分
【ニューヨーク時事】週明け30日のニューヨーク外国為替市場では、米通商交渉の進展期待や米債務膨張への懸念を背景に円買い・ドル売りが優勢となり、円相場は1ドル=144円近辺に上伸した。午後5時現在は143円95銭~144円05銭と、前週末同時刻(144円60~70銭)比65銭の円高・ドル安。
米政府は週末、IT企業に対するデジタル課税への反発から貿易交渉打ち切りを通告していたカナダと交渉再開で合意した。また先週は、中国がレアアース(希土類)の対米輸出迅速化に応じたと伝わったほか、ベセント米財務長官とラトニック米商務長官も主要な貿易相手国との交渉進展を明言。これを受け、高関税政策に起因するインフレ高進への警戒感が和らぎ、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切りやすくなるとの観測が円高・ドル安地合いにつながった。
加えて、米上院が審議を続けている大型減税法案が議会を通過すれば、財政赤字がさらに膨張するとの懸念もドル売り材料。ただ、翌7月1日に、パウエルFRB議長が参加するパネル討論会が予定されているほか、週内は雇用統計などの労働指標や、サプライ管理協会(ISM)製造業・サービス業購買担当者景況指数(PMI)の発表を控えており、この日は持ち高調整の商いが中心だった。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1783~1793ドル(前週末午後5時は1.1717~1727ドル)、対円では同169円61~71銭(同169円47~57銭)と、14銭の円安・ユーロ高。