〔NY金〕3日ぶり反落、3287.60ドル(27日) 2025年06月28日 05時44分
【ニューヨーク時事】週末27日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中両国が、レアアース(希土類)の対米輸出迅速化で合意したと報じられたことで投資家のリスク選好が強まり、3日ぶりに反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比60.40ドル(1.80%)安の1オンス=3287.60ドルと、中心限月清算値ベースでは5月下旬以来1カ月ぶりの安値水準。金は週間では2.90%安。
ベセント米財務長官は米メディアとのインタビューで、主要18カ国との関税交渉について、9月1日のレーバーデー(労働者の日)までにさまざまなディール(取引)が成立する可能性があると語った。また中国がレアアースの対米輸出を迅速化する一方、米国は対中輸出規制の一部緩和に踏み切るもよう。米中貿易交渉の進展の兆しが見られたことを受け、これまで安全資産として買われて来た金が売られた。
米商務省が27日発表した5月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.3%上昇し、市場予想と一致した。高関税政策の影響は顕在化していないものの、個人消費の減速傾向が示された。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期の利下げ期待は根強いものの、FRB高官らの利下げ時期に関する発言は割れており、相場の買いにはつながらなかった。
一方、金相場の引け後にはトランプ米大統領が自身のSNSに「カナダとの全ての貿易協議を終了する」と投稿した。カナダによる米IT企業へのデジタル課税などに不満を示した。その上で、「カナダが支払うことになる関税を7日以内に知らせる」としたが、金塊相場の反応は今のところ限定的となっている。