〔NY石油〕WTI大幅続落、64.37ドル=約3週間ぶり安値(24日) 2025年06月25日 04時55分

 【ニューヨーク時事】24日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、イスラエルとイランの停戦合意を受け、中東地域のエネルギー供給停滞を警戒した買いの巻き戻しが進行し、大幅続落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比4.14ドル(6.04%)安の1バレル=64.37ドル。中心限月ベースでは、今月5日以来約3週間ぶりの安値となった。9月物は4.12ドル安の63.15ドルだった。
 イスラエルによる対イラン攻撃をきっかけとした軍事衝突は、米国やカタールの仲介で24日に停戦合意が発効。双方が段階的に作戦を縮小し、25日にも実現する見込みとなった。実際の履行を巡っては不透明感がくすぶるものの、イランが海上輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖に踏み切るとの懸念はさらに後退。トランプ米大統領が自身のSNSに、「中国はイランから引き続き石油を購入することが可能になった」などと投稿する中、7%超安となった前日からの追随売りが先行した。
 中東の地政学的リスクの高まりが一服し、需給の緩みに対する警戒感も再燃。ロイター通信によると、カザフスタンの国営エネルギー企業カザムナイガスは、同国最大油田の今年の産油量を従来予想の3480万トンから3570万トンに引き上げた。一方、トランプ政権の高関税政策が需要鈍化を招くとの見方も根強く、投資家心理を圧迫した。
 ▽ガソリン=続落。中心限月7月物の清算値は13.25セント安の1ガロン=208.57セント。
 ▽ヒーティングオイル=続落。7月物の清算値は7.80セント安の1ガロン=228.51セント。

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