〔NY金〕反落、3385.70ドル(20日) 2025年06月21日 05時10分

 【ニューヨーク時事】週末20日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、トランプ米大統領が対イラン攻撃の判断に猶予期間を設ける意向を示したことでリスク回避の動きが後退し、反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前営業日比22.40ドル(0.66%)安の1オンス=3385.70ドル。
 トランプ氏は19日、イスラエルと交戦するイランへの攻撃の可否について2週間以内に決断を下すと明らかにした。イランに対し核開発を放棄するよう圧力を強めつつも、参戦回避の余地を残した。トランプ氏が差し迫った攻撃に踏み込まなかったことで、地政学リスクがいったん後退し、安全資産とされる金は、朝方から売りが先行した。
 ただ米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が20日、CNBCに対し、米高関税政策による物価への影響は一時的とした上で、早ければ7月にも利下げに踏み切る可能性があると表明。7月の利下げには意外感があり、金利の付かない金相場は一部買い戻しに下値を切り上げたものの、なおマイナス圏での取引に終始した。
 FRBは18日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置き、年内に0.25%の利下げが2回行われるとの見通しを維持した。パウエルFRB議長は記者会見で、米国の粘着的なインフレへの懸念を改めて表明。2026年の利下げ予想が1回に減少したこともあり、FRBは数カ月は様子見姿勢を取るとの見方が広がっていた。
 この日朝方発表された6月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、市場予想を下回ったが、前月と同水準で、影響は限定的だった。

前日からの主な出来事